騒音対策と施設レイアウトNo.2
2024年04月28日 15:31
以前の記事の続き。
廃棄物処理施設内に騒音発生源がいくつかあると思いますが、その中でも特に著しい騒音を発生させる機会があるとします。たとえば、がれき類の破砕施設であればクラッシャー(破砕機)がそれに該当します。
敷地周辺の航空写真や施設平面図を見比べると、その騒音発生源からの影響を最も受けると思われる地点が明らかになるはずです。たとえば、北側が周辺の住居にもっとも近接しているとか、西側は破砕機から敷地境界までの距離が近いとか、破砕機を覆う建屋の開口部が南側にあるとか。様々な状況を総合的に考慮し、地点選定のうえで、騒音影響の予測評価を行うことになります。
この調査地点と騒音発生源の間には障害物があることが望ましく、騒音抑制のための障害物のことを防音壁や遮音壁と呼んでいます。これらを設置するのに費用がかかりますので、できれば設置を避けたいものです。そこで、たとえば事務所の建屋を破砕機と住居の間に設置することで、建築物に防音壁の役目を与えることが可能になります。施設レイアウトを工夫すれば、コストをかけずにそれだけで環境保全措置が可能です。
執筆者:河野雅好
廃棄物処理施設設置・生活環境影響調査を手掛ける環境コンサルタント
行政書士・環境計量士・公害防止管理者・測量士
株式会社Midori代表取締役