廃棄物処理業許可申請の「ローカルルール」
2024年04月24日 09:14
廃棄物処理業の許可をとるのに「○○県はとりやすい」とか「○○県は簡単にとらせてくれない」と言われることがときどきあります。それと同時に言われるのが、全国の都道府県政令市における「ローカルルール」と言われるものの存在。麻雀の役のように、産業廃棄物処理業許可申請には、いろんな地方ごとに色々なルールが混在しているというのです。
これを一部の人は「ローカルルール」と称しているようですが、少なくとも行政書士は「ローカルルール」などという曖昧なワイルドカードを説明に用いるべきではないと考えます。そもそも、廃棄物処理法は全国一律に適用される法律です。違いがあるわけがありません。なお、「ローカルルール」と言われるものは、以下のようなものの集合です。
都道府県政令市で定める条例
都道府県政令市で定める指導要綱
都道府県政令市による法令の解釈
地域特性
地域特性と書いたのは、担当者の気質とかそんなものではありません。東京都と北海道と沖縄県では、廃棄物処理において配慮しなければならない事柄は当然異なるということです。施設設置許可において、地域特性を考慮することを廃棄物処理法は求めています。
その違いがどこから生まれてきているのかを正確に理解せずに「ローカルルールだから」などと言っているようでは、誰を説得することもできません。廃棄物処理施設設置許可申請は、事業者が行政や住民を説得する一連のプロセスです。
執筆者:河野雅好
廃棄物処理施設設置・生活環境影響調査を手掛ける環境コンサルタント
行政書士・環境計量士・公害防止管理者・測量士
株式会社Midori代表取締役